内容説明
近世の琉球は、日本と中国の“狭間”にあって、どちらにも包摂されない特異な地位を維持した。琉球をめぐる徳川幕府と明清政府との支配秩序の中で、双方を仲介・調整しつつ、自国の安定化を志向する国家運営はどのようにして展開されたのか。その外交実態や意識構造を探り、琉球固有の歴史的意義を東アジアの国際環境の中に位置づける意欲作。
目次
研究の動向と関心の所在
第1部 狭間の形成(琉球人か倭人か―一六世紀末から一七世紀初の中国東南沿海における「琉球人」像;琉球侵攻と日明関係;近世琉球と明清交替)
第2部 狭間の運営(中日の支配秩序と近世琉球―「中国人・朝鮮人・異国人」漂着民の処置をめぐって;近世琉球における漂着民の船隻・積荷の処置の実態―中国と日本の狭間で;近世琉球と「日本の国境」―唐人証文の分析;清に対する琉日関係の隠蔽と漂着問題)
第3部 狭間の思想(近世琉球の自意識―御勤と御外聞)
近世琉球と中日関係
著者等紹介
渡辺美季[ワタナベミキ]
1975年東京に生まれる。2005年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、神奈川大学外国語学部国際文化交流学科准教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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