内容説明
大都市・江戸を支えた「水」のネットワークを探る。江戸には、神田上水・玉川上水などの上水網、生活排水・雨水などを処理する下水網が設けられていた。文献や絵画、発掘調査から大規模な江戸の上水・下水を紹介。現代へと繋がっていく江戸時代の土木技術を明らかにする。
目次
江戸の水―基調報告
江戸の上下水と堀―江戸城外郭を中心に
四谷~牛込地域の上水遺構
江戸遺跡における上水道の構造と目的について
江戸の町屋の上下水―東京都中央区の町屋の遺跡から
台東区内遺跡調査検出の上水・下水関連遺構
ネットワークとしての江戸の上水―玉川上水以前を考える
江戸上水の御普請について―「玉川上水留」を読む
江戸の下水史料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆう
10
江戸時代はすごい。玉川上水、石組の水道。土木工事の技術、光る。土の中から遺構で出るのか。東京は意外とお宝が埋まってる2021/03/30
陽香
2
201110012017/01/13
So Honda
1
考古学と文献学、両側面から江戸の上下水を検討していくことで新たな視点が得られている。溜池上水と小石川上水の水道網が玉川上水と神田上水に転用されたこと、四谷見附で玉川上水開削以前の石樋が発見されていること、湧水や井戸を利用した局地的・小規模な水道網が発掘されていること、木樋には造船技術が、石垣下水には築城技術が援用されていることなど、知らなかったことも多い。2021/08/23
ねええちゃんvol.2
0
★ 学術的な本でした2016/03/02
momen
0
江戸時代の上下水道についてのシンポジウムの講演内容をまとめたもの。上下水道の構造や位置を歴史・建築・地理など多方面から専門的に解説。水道管の構造の図や地図なども充実。木・石・竹などを組み合わせて水道や井戸を作る・遠くの水源から水を引く・下水道を町中に通し区画の境にする・改修工事を行うなど、江戸の上下水道は現代にも通ずる高度な技術が用いられていた。水道工事周りのお役所仕事は段取りが現代と似ており、金銭周りなど昔もグレーなところがあったようで...2025/04/11