出版社内容情報
謀叛の代表的事例だが古記録に欠ける平治の乱を綿密に検証。「謀叛」呼称の意味・思想等を考察し、御成敗式目の法構造に迫る。律令では天皇・朝廷への反逆とされていた「謀叛」は、承久の乱を経て中世初期にはどのような法概念に変わったのか。謀叛の代表的事例だが古記録に欠ける平治の乱の経緯と結末、源義朝や貴族らの決起の動機などを綿密に検証。古文書や『玉葉』などに見られる文例を博捜し、「謀叛」呼称の意味・機能・思想を考察して、御成敗式目の制定目的を解明する。
序章 中世をめぐる全体認識の史学史と本書の課題/? 平治の乱の再検討(謀叛に関わる勲功賞について―中世成立期を中心に〈問題の所在/「破格の恩賞」の先例―平正盛、頼義、頼信への勲功賞/将門追討の勲功賞とその伝承、とくに頼朝勲功賞から/結び〉以下細目略/平治の乱における源義朝謀叛の動機形成/平治の乱における藤原信頼の謀叛―再評価と動機形成をめぐって/平治の乱の構図理解をめぐって―清盛黒幕説と後白河上皇黒幕説について/平治の乱の経緯と結末について―『愚管抄』解釈と河内祥輔学説の検証を通じて)/? 中世初期における謀叛の研究(御成敗式目九条成立の前提―平安遺文・鎌倉遺文の「謀叛」用例の検討から/『玉葉』にみえる「謀叛」用例について/頼朝の「謀叛」と「謀反」/和田合戦と横山時兼/御成敗式目制定の思想―二通の北条泰時書状の分析を中心に)/終章 まとめと課題
古澤 直人[フルサワ ナオト]
著・文・その他
内容説明
律令では天皇・朝廷への反逆とされていた「謀叛」は、承久の乱を経て中世初期にはどのような法概念に変わったのか。謀叛の代表的事例だが古記録に欠ける平治の乱の経緯と結末、源義朝や貴族らの決起の動機などを綿密に検証。古文書や『玉葉』などに見られる文例を博捜し、「謀叛」呼称の意味・機能・思想を考察して、御成敗式目の制定目的を解明する。
目次
中世をめぐる全体認識の史学史と本書の課題
1 平治の乱の再検討(謀叛に関わる勲功賞について―中世成立期を中心に;平治の乱における源義朝謀叛の動機形成;平治の乱における藤原信頼の謀叛―再評価と動機形成をめぐって;平治の乱の構図理解をめぐって―清盛黒幕説と後白河上皇黒幕説について;平治の乱の経緯と結末について―『愚管抄』解釈と河内祥輔学説の検証を通じて)
2 中世初期における謀叛の研究(御成敗式目九条成立の前提―平安遺文・鎌倉遺文の「謀叛」用例の検討から;『玉葉』にみえる「謀叛」用例について;頼朝の「謀叛」と「謀反」;和田合戦と横山時兼;御成敗式目制定の思想―二通の北条泰時書状の分析を中心に)
まとめと課題
著者等紹介
古澤直人[フルサワナオト]
1958年東京都に生まれる。1988年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、名古屋芸術大学講師・同助教授を経て、法政大学経済学部教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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