出版社内容情報
中世に未来記という名の予言書の一群があり、古代から近代まで続く歴史をもっていた。なかでも『聖徳太子未来記』や『野馬台詩』は、太子信仰の展開とともに国家の命運を占うものとなっていく。中世社会のなかで未来記がどのように生成され、理解されてきたのか。アジア各地の事例にも触れつつ、時代ごとにその姿を変える予言文学の真髄を語る。
内容説明
『聖徳太子未来記』『野馬台詩』など、古代から続く中世の予言書の一群は、太子信仰の展開とともに国家の命運を占うものとなっていく。アジア各地の事例にも触れ、時代ごとに姿を変える予言文学、未来記の真髄を語る。
目次
1 “聖徳太子未来記”の生成(“聖徳太子未来記”の世界―もうひとつの歴史叙述;中世の未来記と注釈;中世日本紀をめぐって―言説としての日本紀から未来記まで;“聖徳太子未来記”と聖徳太子伝研究;“聖徳太子未来記”とは何か)
2 『野馬台詩』をめぐる(未来記の射程;『野馬台詩』注釈・拾穂;『野馬台詩』とその物語を読む;未来記の変貌と再生―その後の『野馬台詩』;予言者・宝誌の変成―東アジアを括る)
3 “予言文学”の世界(「御記文」という名の未来記;“予言文学”の視界―過去と未来をつなぐ;災害と“予言文学”;占いと予言をめぐる断章;“予言文学”の世界、世界の“予言文学”)
『野馬台詩』注釈資料集
著者等紹介
小峯和明[コミネカズアキ]
1947年静岡県に生まれる。1977年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、立教大学名誉教授・中国人民大学高端外国専家、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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