内容説明
モノを介した人と人との関係が、当事者の属する社会のなかで認知される仕組みを、文書の形式・使用・保管という文書実践の諸側面から比較・検討。日本・韓国・中国・トルコなど、諸外国の中近世における契約文書や公文書の機能や有り様を追究した論考二〇編を収録する。基礎知識も研究史も共有していなかった研究者の交流が、新地平を切り開く。
目次
序 契約・紛争解決・公証の比較史料学
1 契約文書(日本近世の土地売買慣行と東アジア小農民社会;明清時代における個人間の契約文書;朝鮮時代 個人間の契約と契約文書について ほか)
2 紛争解決システムと文書(近世日本裁判再考;一七・一八世紀オスマン朝社会における紛争解決の諸経路―地方法廷と調停の適用;オスマン朝社会の紛争問題における終審機構としての御前会議 ほか)
3 公証機能と文書(中世前期における私文書の「公証」とその方法―京都と周辺域を中心に;中世ヨーロッパにおける私的な法行為の公証手段としての教会の印章;一五・一六世紀京都の都市構造と「都市文書」 ほか)
著者等紹介
臼井佐知子[ウスイサチコ] [Erkin,H.Can]
1949年生まれ。現在、東京外国語大学教授(明清史・近代史)
エルキン,H.ジャン[エルキン,H.ジャン]
現在、アンカラ大学言語歴史地理学部教授(日本史)
岡崎敦[オカザキアツシ]
1957年生まれ。現在、九州大学大学院人文科学研究院(フランス中世史・文書形式学・アーカイブズ学)
金〓栄[キムヒョンヨン]
1955年生まれ。現在、韓国国史編纂委員会教育研究官(朝鮮時代史)
渡辺浩一[ワタナベコウイチ]
1959年生まれ。現在、人間文化研究機構国文学研究資料館・総合研究大学院大学文化科学研究科(日本近世史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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