内容説明
寛喜の大飢饉。繰り返し襲い来る大火・怪異・疫病・地震・洪水。日本最初の武家法典『関東御成敗式目』の制定。評定衆による合議制の確立。天災に、幕府運営に、奮闘努力する執権北条泰時。泰時の主導のもとに花開く執権政治。それは鎌倉幕府の黄金時代であった。そして泰時の孫経時・時頼、甥金沢実時ら、次代をになう若者たちが元服を迎える。
目次
吾妻鏡 第二十八(寛喜三年(一二三一)
貞永元年(一二三二))
吾妻鏡 第二十九(天福元年(一二三三)
文暦元年(一二三四)
嘉禎元年(一二三五))
吾妻鏡 第三十(嘉禎元年(一二三五))
吾妻鏡 第三十一(嘉禎二年(一二三六)
嘉禎三年(一二三七))
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年、山梨県生まれ。1970年、東京大学大学院修士課程修了。現在、放送大学教授・東京大学名誉教授
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京都生まれ。1988年、東京大学大学院博士課程単位取得。現在、東京大学史料編纂所准教授
西田友広[ニシダトモヒロ]
1977年、島根県生まれ。2003年、東京大学大学院博士課程中途退学。現在、東京大学史料編纂所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AR読書記録
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「御成敗式目」は日本史の授業では鎌倉時代のわりと大きなトピックだった気がするが,ここではさらっと記載されるのみ.そしてこの年代自体,わりとさらっと流れていく(飢饉とかもひどかったみたいなんだけど).地味な一冊.気になった事項は,出奔し出家した武士がついに補陀落渡海したとか,一度死んだ人が生き返って(ある種臨死)体験を語ったのに,地蔵菩薩のおかげだろうかなどと述べられているのとか,幕府(や朝廷)の用をなす官寺的仏教でなく,民間の仏教に近い感じの記録が出てきたようだなぁということ.2013/05/14