内容説明
平安時代は仏教が日本人の精神生活の中に根を下ろし始める時期である。慶滋保胤を中心とする10世紀の勧学会の動向や、大江匡房・三善為康・蓮禅・藤原宗友などの院政期往生伝編者の浄土教信仰の内容と質を検討することは、仏教の日本化の問題を明らかにするうえで重要である。本書は摂関期から院政期にかけての文人貴族の浄土教信仰について考える。
目次
第1 序論
第2 摂関期文人貴族の浄土教信仰の思想的契機
第3 勧学会結衆の浄土教信仰
第4 慶滋保胤の思想と信仰
第5 大江匡房の思想と信仰
第6 三善為康の思想と信仰
第7 蓮禅の思想と信仰
第8 藤原宗友の思想と信仰