内容説明
日本・中国・朝鮮の東アジア地域に、吐蕃・契丹・回鶻など北方・西方の勢力まで視野を広げると、いかなる国際秩序がみえてくるのか。日本の対隋唐・新羅・渤海の対外関係を、外交文書(国書)と外交儀礼(賓礼)から分析。名分関係と服属思想の検討から、文書様式の変遷と儀礼の変化を探り、東アジアの多元的な国際秩序に古代日本を位置づける。
目次
古代東アジア地域対外関係の研究動向―「冊封体制」論・「東アジア世界」論と「東夷の小帝国」論を中心に
第1部 外交文書と国際秩序(書儀と外交文書―古代東アジア地域の外交関係解明のために;日本の対新羅・渤海名分関係の検討―「書儀」の礼式を参照して;「東天皇」外交文書と書状―倭国と隋の名文関係;慰労詔書・論事勅書の継受―末尾の定型句を中心に)
第2部 外交儀礼と君臣秩序(古代倭国・日本の外交儀礼と服属思想;宰相・大臣との会見儀礼と天平六年新羅使;倭国・日本の隋・唐使に対する外交儀礼)
第3部 北宋の外交関係と古代日本(唐後半期から北宋の外交儀礼―「対」の制度と関連して;入宋僧成尋の朝見儀礼について―五代北宋の外交関係と僧侶)
唐宋期周辺諸勢力の外交儀礼について―「東夷の小帝国」倭国・日本の位置
著者等紹介
廣瀬憲雄[ヒロセノリオ]
1976年岐阜県に生まれる。1999年名古屋大学文学部史学科卒業。2007年名古屋大学文学研究科博士後期課程修了、日本学術振興会特別研究員採用。2010年名古屋大学高等研究院特任助教就任。現在、愛知大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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