内容説明
本書は、厩戸王(聖徳太子)に関する最古のまとまった伝記資料『上宮聖徳法王帝説』(平安時代初期の成立と推定される)に関する、沖森・佐藤・矢嶋三名による共同研究の成果をまとめたものである。
目次
第1 影印編
第2 本文編(原文;校訂本文)
第3 注釈編―校訂本文・訓読文・注釈(聖王兄弟;聖王王子 ほか)
第4 研究編(『上宮聖徳法王帝説』にみえる厩戸王;『上宮聖徳法王帝説』の構造 ほか)
第5 索引編(漢字索引;事項索引)
著者等紹介
沖森卓也[オキモリタクヤ]
立教大学文学部教授(日本語学)。1952年生まれ。東京大学文学部国語国文学科卒業。同大学院人文科学研究科修士課程修了
佐藤信[サトウマコト]
東京大学大学院人文社会系研究科教授(日本史学)。1952年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退
矢嶋泉[ヤジマイズミ]
青山学院大学文学部教授(日本文学)。1950年生まれ。東京学芸大学教育学部A類国語科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退
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感想・レビュー
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hyena_no_papa
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厩戸王(聖徳太子)について研究する上での基本史料である『上宮聖徳法王帝説』の知恩院本影印や校訂本文、訓読文とともに注釈を加えたもの。小生にとってはナントカに真珠に近い存在だが、それでも論文等に厩戸王が出てくると、この本にすがることもある。素人的に興味深いのは、『記紀』に出てくる蘇我氏の人名表記と、この本に出てくる表記が違うという点。或いは、年号と思しき「法興元世」がどのような文脈中に出てくるか見るだけでも興味をそそられる。巻末の漢字索引は見事。この本を座右に置かずして聖徳太子について一家言あるべからず。