出版社内容情報
古代の系譜に含まれる史実は、これまで歴史研究の素材として使われてきた。しかし、系譜は形式に意味がある。本書は系譜の形態や系線・続柄表記を記号として読み解き、その変遷の時代背景、氏族意識・祖先観、性差を探る。さらに系譜類型論を提起し、氏から「家」を貫く基層の親族原理として、双系性・非血縁性を論じ、また王統譜にも解き及ぶ。
内容説明
系譜は形式に意味がある。系譜形態や系線・続柄表記を記号として読み、その変遷の時代背景、氏族意識・祖先観、性差を探る。系譜類型論を提起し、基層の親族原理として双系性・非血縁性を論じ、また王統譜にも解き及ぶ。
目次
序 系譜様式論―研究史の整理を通じて
1 古系譜の諸類型(「児(子)」系譜にみる地位継承―「稲荷山鉄剣銘」・「海部系図」
「娶生」系譜にみる双方的親族関係―「天寿国繍帳銘」系譜 ほか)
2 古系譜の背景(氏名の成立と展開;古代の「人」・「子」―王権と共同体 ほか)
3 系譜観念の展開と変容(系譜類型と「祖の子」「生の子」―非血縁原理の底流;中世系譜史料論にふれて)