内容説明
推古朝の冠位十二階は中央支配者集団の編成、国家組織の整備に何をもたらしたのか。孝徳朝の二度の冠位改定はなぜ必要とされ、律令国家体制への転換とどのように関わるのか。“大化前代”の“氏姓制度”を疑う観点から、雄略朝に遡り朝鮮三国の官位制との比較を通してその解明を試み、冠位制の機能とウヂの構造との相互関係をも闡明にする。
目次
第1 冠位制の史的前提(大王の官爵授与権・身分秩序形成権の萌芽と展開;朝鮮三国の官位制と冠位制)
第2 推古朝の冠位制の創設(冠位十二階と外交政策;冠位十二階の制定・施行過程;冠位十二階の機能と性格)
第3 孝徳朝の冠位改定の意義(大化三年の冠位十三階;大化五年の冠位十九階;官人給与制の創設)