内容説明
日本古代政治史の研究は、ともすれば、飛鳥・奈良・平安(前期・後期)等の各時代に分断されがちである。しかし、これらの全時代に一貫して、古代独特の論理の働きがあることを見過ごしてはならない。その基調にあるものこそ、天皇制の価値観(直系主義)ではなかろうか。本書はかかる視点から政治史上の諸事件に独自の解釈を加え、新たな日本古代像を浮彫にする。
目次
第1 6世紀型の皇統形成原理
第2 8世紀型の皇統形成原理
第3 奈良時代後期政治史の基調
第4 光仁系皇統の成立
第5 幼帝と摂政
第6 光孝擁立問題の視角
第7 宇多「院政」論