出版社内容情報
古代から現代にわたる日本社会で、人びとはどのようなアイデンティティを形成してきたのか。また、社会の中心と周縁との間に存在する複雑な力関係とそれを媒介する存在とはいかなるものか。日仏両国の研究者たちが六年にわたって行なってきた学際的共同研究の成果をここに公刊する。ヨーロッパとの豊かな対話を切り開いた、新しい比較日本研究。
〈主な目次〉はじめに…アンヌ ブッシイ/Ⅰ=中心的空間の形成(首都=東京の誕生…成田龍一/首都の言説…京樂真帆子/年号…大井 剛/神功皇后伝説をめぐって…森 弘子/国民的アイデンティティと宗教理論…島薗 進)/Ⅱ=周縁、秩序と逸脱(巫女とカミ…川村邦光/神々は山を去っていくだろうか…アンヌ ブッシイ/語り物と日本近代…兵藤裕己/江戸庶民文学にみられる木版本の製作技術と普及の過程…藤森文吉/日本の肉食慣行と肉食禁忌…平 雅行/日本近世における差別と忌避…脇田 修)/Ⅲ=表象体系と社会(世直し運動としての新宗教…ジャン・P ベルトン/巫女と男巫のはざま…鈴木正崇/男装と王権…武田佐知子/稚児と天皇制…松岡心平/神能の位置…脇田晴子/伊賀・甲賀・小倭…ピエール スイリ)/おわりにあたって…脇田晴子"
内容説明
古代から現代にわたる日本社会で、人びとはどのようなアイデンティティを形成してきたのか。また、社会の中心と周縁との間に存在する複雑な力関係とそれを媒介する存在とはいかなるものか。日仏両国の研究者たちが五年にわたって行なってきた学際的共同研究の成果をここに公刊する。ヨーロッパとの豊かな対話を切り開いた、新しい比較日本研究。
目次
1 中心的空間の形成(首都=東京の誕生―東京「二世」・樋口一葉のばあい;首都の言説―周縁から中心へ、中心から周縁へ;年号―独立と従属の標識 ほか)
2 周縁、秩序、逸脱(巫者とカミ―憑依霊の来歴と特性をめぐって;神々は山を去っていくだろうか―巫覡の他者性とアイデンティティ;語り物と日本近代 ほか)
3 表象体系と社会(世直し運動としての新宗教;巫女と男巫のはざま―神子と法者を中心に;男装と王権 ほか)
著者等紹介
ブッシイ,アンヌ[Bouchy,Anne]
1947年生まれ、日本民俗学・宗教民族学専攻。フランス国立極東学院主任研究員。主な著書に「捨身行者実利の修験道」(’77年)「Les oracles de Shirataka」(’92年)
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