内容説明
花押・印・封式・書札礼・木簡・古筆の問題は古文書学では勿論、日本史研究上でも無関心ではいられない分野である。本巻は、この分野の優れた業績を網羅した。また江戸時代の学者伊勢貞丈は花押研究の大先達で、その著『押字考』はこれまでも諸書に断片的に引用されてきた。しかし版本は江戸時代にとどまり、所蔵する機関も少ない。ここにその全貌を翻刻して学界に提供する。
目次
第1章 花押(花押及び略花押;古文書における花押;画指―中国と日本)
第2章 封式と書札礼(古文書の折紙に就て;古文書料紙の横ノ内折とその封式とに就いて;本紙・礼紙と料紙の使用法について;未完文書としての「判紙」について;紙背文書について;書札礼と右筆)
第3章 古文書をめぐる諸問題(古文書に現われた血の慣習;文書がはがされた話―南部文書と斎藤文書;木と紙―木簡研究の一齣;古筆家とその周辺)
付録 伊勢貞丈『押字考』



