内容説明
モンゴルの襲来に日本はいかに対応したか。また、この時代に日本の社会はどのように変容していったのか。文永・弘安の役を世界史的な視野から見直し、変容しつつある社会の様相に視野を広くとり、新しい時代像を描く。
目次
モンゴルの襲来
1 モンゴル時代のアフロ・ユーラシアと日本
2 鎌倉時代の歌壇と文芸
3 中世人の生活と信仰
4 中世の荘園と村落
5 鎌倉時代の社会と領主制
著者等紹介
近藤成一[コンドウシゲカズ]
1955年東京都生まれ。1982年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学史料編纂所教授
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感想・レビュー
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がんぞ
3
元=蒙古国皇帝にとって、1万数千の兵で押し寄せた文永の役は「一回の侵攻で成功するとは思っていなかった」から再度の準備をし、回答を求めたが時宗は使者を斬首して徹底抗戦の構えを見せた。野蛮なように言われる征服王朝だが公平に考えて戦争しない道はあっただろう。1300年頃の貿易沈船が近年発見され16トン600万枚もの銅銭を積んでいた。紙幣の使用で銭が余ったのは確かなようだ。貨幣経済は平民を支持基盤とする宗教者の出現をももたらす。北条時頼は30歳で出家して権力の座にとどまったが、鎌倉仏教は在家のままの信仰を奨励した2015/06/07