内容説明
最後の古代都城“平安京”の時代。東アジア世界との接触のなか、律令国家の最盛期から終末へ、一八〇年にわたって変容する列島の古代を解明する。また、古代末期の地域社会や平安仏教の特質、国風文化の問題にも迫る。
目次
平安京
1 受領の成立
2 院宮王臣家
3 考古学からみた古代社会の変容
4 平安仏教―空海・最澄の時代
5 唐風文化と国風文化
著者等紹介
吉川真司[ヨシカワシンジ]
1960年奈良県生まれ。1989年京都大学大学院博士後期課程修了。現在、京都大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大宅世継がない
1
重厚な本だったので、興味のあった部分だけ読んだ。 国司・院宮王臣家が力を持つ過程で、負名に出挙の管理や徴税の委任など権力移譲とともに、荘園整理令などといった権力規制という両面の進行が起こったため、律令制からどんどん逸れていったことは、鎌倉時代守護が置かれて国守が形骸化し、在地勢力としての武士層台頭につながったと考えた。 また、日本国内地方文化と新羅などの文化が「俗」となり、「唐」に対比したものの、「唐」も唐王朝衰退とともに日本風になったらしく、現代でもある「ローカライズ」はこの頃からあったのだと驚いた。2024/10/18