出版社内容情報
千葉 勝美[チバ カツミ]
著・文・その他
内容説明
最高裁の憲法判断のダイナミズムを描く。
目次
第1部 最高裁における憲法判例形成の実情等(最高裁憲法判例(多数意見)形成の背景事情―形成過程での議論等
最高裁憲法判例における合憲性審査基準の呈示の仕方と裁判官の思考方法
「司法部の立ち位置」と最高裁の憲法判断における多数意見)
第2部 戦後七〇年の最高裁の憲法判例の展開から見る「司法部の立ち位置」の素描―憲法判例と裁判官の視線 その先に見ていた世界(社会に根を下ろし、告民から信頼される司法を実現するために―レペタ法廷メモ事件大法廷判決と矢口洪一長官らの眼差し;立法裁量と違憲立法審査権との相克―国籍法違憲訴訟大法廷判決の際の激論;保革の政治的対立と公務員労働事件を巡る司法部の立ち位置―横田喜三郎長官らと石田和外長官らが見ていた世界の相違;司法部と立法府との対決―定数訴訟の幕開け;高度の政治性を有する問題と司法部の違憲立法審査の在り方―日米安保条約の違憲審査において「統治行為論」等を採用した背景事情等 ほか)
著者等紹介
千葉勝美[チバカツミ]
元最高裁判所判事・弁護士。1970年東京大学法学部卒業。1972年判事補任官後、東京地裁判事、最高裁秘書課長・広報課長、最高裁民事局長・行政局長、最高裁首席調査官、仙台高裁長官を経て、2009年12月から2016年8月まで最高裁判所判事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はび
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最高裁調査官、同首席調査官、同判事を務めた元裁判官が、自ら関与した事件を含む複数の最高裁判決及び決定について、その判断内容や、そのような判断をした裁判官がその判断が社会にどのような影響を与え、社会がそれによりどのように変わっていくのかについてどう考えていたかを考察した論集。著者自身の「司法部の立ち位置」という基本的な視座が最初に与えられ、それに従って各判決等の考察がされていく。著者はここ数年批判されることもある所謂「事務総局系」の最たる裁判官といえるものであり、そのような裁判官のものの見方を見事に表す本。2020/12/06