内容説明
南北戦争での敗北から一世紀のあいだ、貧困と社会的遅れと人種問題を抱える南部はアメリカの「異端」「例外」とみなされ続けてきた。しかし６０年代後半以降、政治・経済・社会のあらゆる面で、南部は著しい変容を遂げたハイテク、アグリビジネス、軍事、観光、建設、不動産、サービス等の諸分野で驚くほどの興隆がみられる。本書は、ようやく貧困と社会的遅れを克服し、希望と繁栄の地として注目されるようになった。ニューサウスの過去と現在、光と影を浮彫りにする。
目次
第１部 ニューサウスの政治と社会（人種関係からみた南部；南部における二大政党政治；ジョージ・ウォーレス―変容した南部政治家の軌跡；公民権運動に参加した女性たち―共闘から分裂、自立へ；保守主義を生む宗教土壌）
第２部 ニューサウスの経済（サンベルトの経済動向；サンベルト―現実となった「新南部」神話；リサーチ、トライアングル・パーク―南部工業発展の一例）
第３部 ニューサウスの文化（現代アメリカ演劇のなかの南部；アリス・ウォーカーの語る南部―伝統と変革のはざまで；ゾラ・ニール・ハーストンと黒人セクシズム―『彼らの目は神をみつめていた』をめぐって；アメリカ写真史と南部のイメージ）
