内容説明
女らしさとか男らしさって?理系に男子が多いのはなぜ?女性の総合職は少ないって聞くけど…。これらは「ジェンダー」にかかわる事柄です。本書は、あなたの常識に思わぬところから問いを投げかける、そんな本。読了後にはいまより自由な世界が広がっているかも。
目次
第1章 性別をとらえなおす
第2章 家族とジェンダー
第3章 労働とジェンダー
第4章 教育とジェンダー
第5章 日常生活とジェンダー
第6章 国家とジェンダー
第7章 身体とジェンダー
第8章 フェミニズムとジェンダー
著者等紹介
千田有紀[センダユキ]
武蔵大学社会学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(社会学)
中西祐子[ナカニシユウコ]
武蔵大学社会学部准教授。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科修了、博士(学術)
青山薫[アオヤマカオル]
神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。英国エセックス大学社会学部大学院博士課程修了、Ph.D.in Sociology(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおい
15
課題のため。ジェンダー論全体について入門的な知識を入れられる本。保健の教科書のよう、、読み易かったが、ですます調は不要に思えた。2019/01/31
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
8
2013年刊。フェミニズムの本で最初に読んだのはベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』で、実にいい本だった。次は『ジェンダートラブル』で一章を読み通せない程に難解すぎて挫折。次の本を迷っている間に「トランスジェンダリズム」の問題を知り、「トランスアライ&TRA⇔TERF」と言う対立構図が目に入った。両社の意見はどう見ても後者の方に理があり、その内の一人が千田有紀氏だったのでその人で検索して出てきた本書を読んでみた。→2023/09/30
hakumai
7
大学でジェンダー論を専攻した方の影響で手に取る。身体的性がセックスで、社会的性がジェンダー、くらいなイメージしかなかったけど、いまやそれも古く、学問として発展し、研究が進んでいて、国家制度、教育、社会、身体、フェミニズムなど、いかに歴史・文化とからんで今に至るかを改めて認識。「男」と「女」という「言葉」の存在により、実は身体的性も後天的に設定される。また、言葉がないから、2つの性以外は「異常」とされるなど、社会科学的な考え方も衝撃があった。みんな、その時点のパラダイムに無意識に縛られている、なるほど。2017/03/20
Rammstein
6
名著。女性差別(社会的マイノリティ)の流れについて、教育、育児、就職、政治などといったテーマに分かれて解説している。基本的に社会的マイノリティ(女性であったりLGBTであったり)の権利についてマジョリティ側が考えることはほぼない。というかむしろ、「そういうのが認められるわけないし、差別なんかない」という一点張りで終わる可能性さえある(医学部入試問題でそういうのが明るみになったが)。本書を読むことで、女性差別の実態というのがつかめると思う。2019/02/28
Dandelion
3
身の回りの女性蔑視の価値観やジェンダー規範に対する違和感を感じることが最近増えたので、手に取った。生物学的な性差である「セックス」も実はジェンダーであるという事実には驚いた。我々は人を男女に区別するのが当たり前になっているが、これもまた性別二元論が元になっていることを意識すると性的マイノリティに対する考え方も大きく変化するのでないかと感じた。自分が女性らしさを求められたりセクハラまがいの発言をされることを不快に思いながらも、私も社会に作られたジェンダー規範に囚われている部分が多々あると気付けて良かった。2018/08/31