出版社内容情報
町村 敬志[マチムラ タカシ]
著・文・その他
目次
第1章 東京から考える―アーバン・スタディーズという冒険‐ヒト・モノ・ココロ
第2章 だらだら広がる都市の秘密―東京はいかにして東京になったのか‐歴史
第3章 都市はメガイベントで輝いたのか―出来事から考える‐イベント
第4章 一極集中のオモテとウラ―産業・仕事・格差‐経済・階層
第5章 奪われる東京―「空間争い」の時代に‐空間
第6章 「東京政治」の溶解と再生―責任ある知事がなぜ現れなかったのか‐政治
第7章 都市に出来事を取り戻す―社会が再び動き出す都市へ‐出来事へ
著者等紹介
町村敬志[マチムラタカシ]
1956年北海道生まれ。1984年東京大学大学院社会学研究科博士課程中途退学。現在、一橋大学大学院社会学研究科特任教授(都市社会学)。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
8
抜群に面白かった。個々の具体的な記述とやや抽象的な把握にポンチ絵めいた図が乗っかるかたちで各章が進んでいく。こうしたざっくりの理解によってポストコロナにおける現代都市の輪郭を掴むことができるのだ。前半部におけるだらしなく拡張する東京を事例にした、都心回帰論に対する郊外化論の忘却に釘を刺す箇所もドキっとさせられた。鰺坂ら編『さまよえる大都市・大阪』も勉強になったが、著者単体でここまで広範囲かつ行き届いた記述を成立させるところが凄いと思わされる。ちょっと難しいかもしれないけど、授業で輪読に挑戦してみようかな。2021/04/18
awe
5
都市社会学の泰斗町村敬志の東京論。アーバン・スタディーズという学問領域の持つ視角を最初に説明し、東京という都市の来歴を述べた後、郊外、五輪、「東京政治」というトピックごとに東京の行く末についての筆者の主張が展開される。かなり面白かったが、7章の「接触領域」の持つ意義など、ところどころ抽象的で煮え切らない部分もあった。これはおそらく読者に解釈・議論の余地を与えるために筆者が敢えて禁欲的にそうしているんだろうとは思うが。1章では本書を貫く分析視角が述べられる。簡単に言えば複数の位相で歴史というものは存在し、2021/03/25
shiroe_42
1
東京という都市についての考察。東京が郊外に広がったのには、歴史的に理由がある。重層化された所有の形。といった辺りが面白かった。2021/09/03
h1r04
0
東京について現代計画史みたいなところを多く含めた著書 アーバン・スタディーズの潮流というよりも東京、日本における文脈の中で重要な事柄に焦点が当たっていて勉強になりました。割と入門書的な立ち位置ではあると思うので身体性やバーティカリティについて詳しく述べていた訳ではないと思うけど、そこに繋がる部分を丁寧に書き出していただいていたと思い、特に高層ビルの部分は数字や表も含めすごく参考になりました。2024/02/25
しまうま
0
学部授業で使うような本かな。出来の良い章とそうでないのの差がはっきりしてるのは専門分野かどうかってことなんだろう。学ぶ/考えるスコープを絞らないといつまで経っても粗い中途半端なままに終わるかもしれない、という気づきがあった。参考文献に面白そうなのが幾つかあった。あと、町村先生は模式図作るの下手だな。2021/05/22