内容説明
個人の「時間軸」という切り口からみえた幸福感のメカニズムとは?普遍的でありながら、とらえどころのない「主観的幸福感」の構造を、ポジティブ心理学研究の実証データをもとに明らかに。
目次
第1部 幸福の構造をさぐる(幸福研究の新しい時代のはじまり;幸福な人たちの特徴;幸福感の諸側面)
第2部 個人の時間軸からみた幸福の構造(現在の幸福を生み出すもの;過去と幸福の関係;未来への希望を支えるもの)
第3部 幸福へどう介入できるのか(幸福になるためにできること;一人ひとりに合わせた幸福―多様な幸福を実現するためには)
著者等紹介
島井哲志[シマイサトシ]
日本赤十字豊田看護大学・同大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ざっく
9
ポジティブ心理学の本。幸せな人は、自分が幸せなことに気づいていないような気もする。出来事を多面的な視点で見ることができれば、ポジティブに捉えやすくなる。ネガティブな出来事にユーモアを感じる傾向があるのは、自分の良いところかもしれない。何も所有せずに幸せを追求することは、日本人にとってはあり得る話だと思うだろうが、アメリカの独立宣言の理念のもとではほとんどあり得ないものと考えられるらしい。国の文化によって、幸せを構成する要素も変化してくるか。2022/07/10
柳瀬敬二
7
幸福感や他の感情についての実証研究をまとめた概説書。ポジティブ心理学なるものが広まっているように、近年は健康な人々の幸福度を高めようという研究も盛んに行われているらしい。経済的余裕のある生活、十分な社会的交流、人生に対して意義が感じられることが幸福に必要なのは、文化の違いはあれど共通している。意外なことに、人生の意義を見失って苦しんでいる人々は現代では少数派で、あれだけ20世紀で不幸を撒き散らかしたニヒリズムはいつの間にかどこかへと霧消してしまったらしい。2016/12/27
ぴーたろー
4
メモ 幸福な人はネガティブなことを多面的に分析する。自己が確立しているため一時的な個々の結果に気分が影響されない。自分の選択したものにたいし高評かをする。非常に幸福な人は、友人 家族 パートナーと時間を共にすることが多い。最大化追求の欲求が高い人が幸福度が低い。2018/11/10
マイ
0
短期的で直接整理的な快感をもたらすものは中長期的な幸福と何らかの点で矛盾することが起こりうる。うーん。たしかにそうなんだよなあ、納得。2015/11/29
hinotake0117
0
幸福をみんなでワイワイ考えている(っていう表現で適切かな?)コミュニティGifttedに入って以来、こうした書に反応するように。島井氏もポジティブ心理学の第一人者。様々な研究を紹介。さすが有斐閣。学術的。 感情、対人関係、適応、仕事への関与、日常生活、人生の意義や宗教性という6つの側面でとらえるやり方を紹介。同じく第一人者のマーティン・セリグマン氏の「PERMA」っていう分類もあるそう。 色々なるほどと思ったが1点挙げると、「他者のためにお金を使う」流れがクラファンに来てるんだろうな、と。2020/08/14