内容説明
虐待や性被害の目撃者・当事者となってしまった子どもから、正確な情報を引き出しつつ、子どもへの負担を最小限にするためには、いかにして聴き取りを行えばよいのか?これまでに蓄積されてきた実証的知見に基づきつつ、また実際の進め方の例を豊富に紹介しながら、平易に解説する。
目次
第1部 司法面接の基礎知識(司法面接とは何か;司法面接の歴史と必要性;記憶の種類と発達;誘導と被暗示性 ほか)
第2部 司法面接研修(司法面接の概要と目的;司法面接の要:オープン質問;面接の構造と手続き;面接の計画 ほか)
著者等紹介
仲真紀子[ナカマキコ]
北海道大学大学院文学研究科教授。略歴:1979年、お茶の水女子大学文教育学部卒業、1981年、同大学大学院修士課程修了、1984年、同大学博士課程人間文化研究科単位取得退学、1987年、同大学より学術博士取得。千葉大学講師、助教授、東京都立大学助教授を経て、現職。専攻:認知心理学、発達心理学、法と心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろか
7
この分野では、間違いなくマストバイ2016/11/05
木麻黄
4
10年程前に類書を読んだことがあるのですが、あまりにも日本の社会情勢との懸隔が大きすぎて、ぴんと来なかったことをよく覚えています。それがどうでしょう。毎年のように報道される凄惨な児童虐待やDVを見聞するにつけ、いよいよ欧米の知見が我が国にも適用される時が到来したことをひしひしと感じます。自省を込めて、司法面接の知見なくして、被虐待者に寄り添おうとする無謀さは、もはや傲慢と言っていいのではないでしょうか。しかし、本書は初心者用空手入門みたいなもので、実際には5日間の研修をみっちり受ける必要があると思います。2020/01/02
しぇりー
3
実務的な本だったが、心理学の知識との関連性がわかりやすく、読んでいて理解しやすいものだった。司法面接をする機会がなくても、子どもと関わる機会があるのであれば読んでおいて損はない一冊と言えそう。接し方という点でかなり参考になった。2017/06/04
酒井 敦
1
子どもへの司法面接の難しさを説明した本。子供は、誘導されやすく被暗示性(他者の言うことに会わせていく)があるため、聞き取りにも細心の注意が必要かつ、事件直後一回でヒアリングすべきことなどが書いてある。また、人の識別のしかたも、目鼻で識別する大人と異なり、髪の形などで幼児は認識するので、サンタクロースになった父親を認識できないなどいろいろ興味深く役に立った。また、NICHDプロトコルなど、司法面接の用語も書いてあり参考になる。2020/12/19
Yuki
0
心理学/精神医学。切り口模索中。2016/12/18