内容説明
いまの日本社会はいかなる時代を迎えているのか?政治意識、職業倫理、市民活動など、現代人のものの考え方や世の中との向きあい方をあざやかに描き出す調査データにもとづく現代社会論。
目次
現代日本の階層意識の解明に向けて
第1部 主観のなかの社会階層(階層帰属意識からみた戦後日本―総中流社会から格差社会へ;「中」と答える人たち―「中」意識の構造;どうして「中」と答えたのか―調査のやり方で変わる回答;頭のなかの日本社会―日本人の自己像)
第2部 社会階層と現代社会の意識のあり方(どうして「社会は変えられない」のか―政治意識と社会階層;日本社会の勤勉性のゆくえ―格差社会のなかの労働倫理;誰が市民活動を担うのか―ボランティアの階層的変容;階層意識の学歴差を考える―社会意識の再埋め込み)
著者等紹介
数土直紀[スドナオキ]
1965年生まれ。1995年、東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、学習院大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Uzundk
1
社会意識、私達が自分自身を社会のどこと位置づけ、社会が堂だと感じているかについての研究と考察。特に一億層中流から格差社会になったと言われていたが、それは生活実態とは別の社会意識という物から生まれている。考えて見れば社会とは信頼と期待による意識の産物だからこそ、社会意識の研究はより現代を知る上で重要な要素になるだろう。本書は意識調査プロジェクトの成果の1つとして位置づけられている。感触としては面白いがデータの意味や背景への考察はまだ道半ばと思う。どのように生かすか今後の研究に期待したい。2015/06/12
Monty
0
読んでて面白かった反面、統計分析を感覚的にでも知らないと検証を読み解くのに苦労する印象。階層帰属意識、格差社会への変換、学歴との因果関係などはなるほどねぇと思える。何となく今自身が抱え込んでる会社のエンゲージメントの低さが頭に浮かび、その理由の探求のヒントがあった気がする。再読必須📕2022/03/23