内容説明
「七つの海」を支配し大英帝国を支えたといわれるロイヤル・ネイヴィー(イギリス海軍)とは、どのような国家制度であったのか。19世紀のロイヤル・ネイヴィーは、急速な技術革新の波やイギリス社会の大変動、戦略環境の変化に応えつつ、奴隷貿易を取り締まり、ライバルたるフランス海軍や台頭するビスマルク・ドイツに備えなくてはならなかった。ロイヤル・ネイヴィーに注目し、ナポレオン戦争終結から第一次世界大戦勃発に至る時期の、イギリスの盛衰とイギリス外交、イギリスが主導した国際秩序「パクス・ブリタニカ(イギリスの平和)」の実像に迫る。
目次
序章 ロイヤル・ネイヴィーとイギリス外交
第1章 自由主義外交の黄金期―パーマストンと奴隷貿易
第2章 クリミア戦争
第3章 19世紀のRMA
第4章 組織の「近代化」に向けて―19世紀ロイヤル・ネイヴィーの人事と教育
第5章 黄昏のパクス・ブリタニカ―後期ヴィクトリア時代の外交と海軍
第6章 フランス海軍とパクス・ブリタニカ
著者等紹介
田所昌幸[タドコロマサユキ]
1956年、大阪府に生まれる。1979年、京都大学法学部卒業。1981年、京都大学大学院法学研究科修士課程修了。1983年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修了。慶應義塾大学法学部教授(国際政治学専攻)、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tomozuki Kibe
3
知見1マハンの海軍戦略が鉄道という輸送手段の発達・潜水艦などの通称破壊戦術の発達によってすでに過去のものになっていたこと。 知見2 1820年代のオランダ封鎖・クリミア戦争におけるバルト海作戦など英国海軍の知られていない役割。 知見3 ナポレオン戦争の時にイギリスは敵国を封鎖する側だったのが、1によりWW1には封鎖される側になっていたこと。 知見4 前半におけるパーマストンの役割の大きさ。 知見5 ナポレオン3世はそれほど海外伸長を望まず、むしろ回りや、第3共和政時代の方が「失われた栄光」を望んでいたこと2021/08/16
ELW
0
ついに、第一次と第二次エジプト事件の列強の合従連衡の動きが分かった。19世紀のオランダ海上封鎖とはお見事。パーマストン観も見直せた。ジューヌ・エコールは始めて知った。非対称戦略は良いゲーム。素晴らしい執筆者陣。『大英帝国の外交官』を読んでおいてよかった。 2017/07/26
busoni
0
2読目2019/01/19
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