内容説明
伝統的経済学と行動経済学それぞれの有用性と限界を、最新の実験研究や神経経済学の成果から明らかにし、「無条件の愛の学習」に資する新しい経済学を目指す。
目次
第1部 行動経済学と神経経済学(行動経済学とは何か?;神経経済学とは何か?)
第2部 プロスペクト理論と限定合理性(不確実性下の経済行動;プロスペクト理論 ほか)
第3部 時間割引と社会的選好(時間を通じた行動;学習理論と神経経済学の実験 ほか)
第4部 行動経済学のフロンティア(文化とアイデンティティ;幸福の経済学 ほか)
著者等紹介
大垣昌夫[オオガキマサオ]
慶應義塾大学経済学部教授。シカゴ大学経済学部博士課程修了(Ph.D.)。専攻:行動経済学、マクロ経済学、国際金融、計量経済学
田中沙織[タナカサオリ]
(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報通信総合研究所専任研究員。奈良先端科学技術大学院大学情報科学科博士課程修了、博士(理学)。専攻:システム神経科学、神経経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
22
行動経済学は、心理学実験を手法として探究したが、神経経済学も補完的に用いるという(30頁)。囚人のジレンマをはじめとするゲーム理論も登場。難解な数式も多数。第9章以降がなんとか分かりそうな感じもするが、テクニカルな話題が多い専門書。文化経済学は世界のと、日本のとでは温度差もある(扱う学術分野の多様性という意味で)。章末に練習問題も多数。2015/02/21
ムンムン
2
本格的な行動経済学の解説書だ。 伝統的経済学の理論とそれに対置する行動経済学の理論を解説する。異時点間の選択や日本語の解説書の少ない神経経済学を触れてあるのも嬉しい。 人間心理をもとに社会制度を設計するナッジの手法や、幸福度を計測しようとする試みなどから行動経済学は、幸福の経済学であると強く感じた。 大垣さん、田中さんありがとうございます。座右の書にします。2018/05/06