内容説明
日本企業の経営発展は、“成長”という言葉からイメージされるような単線的なものではなく、複雑な停滞・前進・後退の過程であった。本書では、そのダイナミズムに「進化論」の枠組みを援用し、日本企業の変革への対応の特質を析出する。変革の担い手であるヒト(経営者)は、そこでどのような主体的役割を果たし、またそれがいかにして組織進化に至ったのか。成功と失敗の両面から学ぶ。
目次
第1部 進化の経営史の視角(進化の経営史の分析枠組み;進化の概念と経営史;日本経済の近代化と経営発展の進化モデル)
第2部 経営者にかかわる進化(財閥の進化とサステナビリティ―安田財閥の急成長と挫折;渋沢栄一の労使観の進化プロセス―帰一協会・協調会・修養団;地域開発の戦略進化―箱根土地の事業展開;創業者からの継承とビジネスの進化―伊勢丹と二代小菅丹治;中小企業政策の戦後への連続性―吉野信次と中小工業政策)
第3部 組織の進化プロセス(新しいマーケットへの組織的挑戦―日本の近代化と国分商店;人脈と革新的DNAの継承―関西電力業界における二筋の人脈;事業継承と経営発展―堤康次郎と堤清二;垂直統合的組織への進化―花王の販社戦略;経営の淵源とその進化―キヤノンのハイブリッド・マネジメント・モデル;組織進化の主体性モデル)
著者等紹介
橘川武郎[キッカワタケオ]
一橋大学大学院商学研究科教授
島田昌和[シマダマサカズ]
文京学院大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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