内容説明
「ちょっと困った」と社会が考える行動をする事業者。放っておけば環境悪化が進みます。その事業者の意思決定を変えるさまざまな仕掛けを組み込んだ環境法。具体的事件、個別法律、裁判例を素材にして、環境法のエッセンスをしっかり両手におさめます。
目次
環境法って、一体…
環境法物語
環境法の目標と基本的考え方
環境法の基本的メカニズム
都市景観管理で考える
自然環境管理で考える
水環境管理で考える
廃棄物処理で考える
環境アセスメントで考える
執行は現場でされている
環境問題が国境を越える
環境紛争を考える
著者等紹介
北村喜宣[キタムラヨシノブ]
1960年京都市生まれ。1986年神戸大学大学院法学研究科博士課程前期課程修了。1988年カリフォルニア大学バークレイ校大学院「法と社会政策」研究科修士課程修了。横浜国立大学経済学部助教授、上智大学法学部教授などを経て、上智大学法科大学院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
23
環境法とは、現在および将来の環境の質の状態に影響を与える関係主体の意思決定を、社会的に望ましい方向に向けさせるための方法に関する法、および、環境をめぐる紛争の処理に関する法(15頁枠)。環境権の訴訟:被告に対する主張を原告がすべて行う(53頁)。著者の『環境法第3版』弘文堂、2015年(86頁)は機会があれば読んでみたい。2015年4月現在、32国立公園、56国定公園(115頁)。市民社会:主権者としての市民が国家意思決定にあたって重要な地位を占めると考える。2016/03/30
Nさん
3
環境法とは環境に関する法律の総称。法解釈を個別事案に適用する民法とはカラーが異なり、現制度の足りない部分を作り出す、問題解決的・政策志向性の高い法カテゴリーだ。規制対象者を如何にあるべき方向へ誘導できるかが問われている。理想的な環境の実現を希求する我々の心情とは裏腹に、全ての問題に対応できない現実。ある意味、線引き(スソ切り)が行われている。行政指導は実質「お願い」であり、強制力を伴わず。担い手の行政も執行には及び腰な体質がある。経済活動との間の、その執行能力及び法的限界を把握しておくことも大切だろう。2020/04/23