出版社内容情報
社会学の概念や様々なデータを使って現代社会を読み解きながら、よりよい社会の可能性を探るテキスト。「社会学入門」に最適。
内容説明
生活や仕事が不安定となり、厳しい競争、冷酷な排除、巧妙な飼いならしがますます強化されている現代日本社会。その出口はどこにあるのでしょうか。本書は、社会学の理論・概念やさまざまなデータを使って現代社会を読み解きながら、よりよい社会の可能性を探ります。社会と自分を変える社会学の考え方を身につけるために。
目次
1 言説―現代社会を映し出す鏡
2 能力―不完全な学歴社会に見る個人と社会
3 仕事―組織と個人の関係から考える
4 友だち―「友だち地獄」が生まれたわけ
5 家族―なぜ少子高齢社会が問題となるのか
6 居場所―個人と空間の現代的関係
7 排除―犯罪からの社会復帰をめぐって
8 分断―社会はどこに向かうのか
著者等紹介
本田由紀[ホンダユキ]
現在、東京大学大学院教育学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユズハル on低浮上
7
現代の日本社会には様々な問題が存在する。難題も多いが解決不可能ではないと読んでいて思った。1番問題なのは昔のやり方からアップデートせず、昔を美化して問題に向き合わないことではないかと思う。2022/04/26
苦虫
6
【マーカー済】去年の夏頃読んだ本だけど当時は記録する暇すら惜しんでいたのだろう。現代社会とあるが本田先生編集で教育社会学寄り、内容(居場所、友だちへのリアクションマニュアル、ブラック企業問題)も執筆陣(鈴木翔、久保田裕之等)も初学者や教養受講者向けでキャッチーなテキスト・入門書。3章仕事(中川宗人)が会社〜個人について、ルーマンの組織論から始まり、ジェンダーや世代の視点から解説。「会社と個人をめぐる反省ー1970〜2000年代の『会社人間論』に着目して」『年報社会学論集24』2011を読んでみたい。2016/02/18
ぽん教授(非実在系)
3
教科書である分、(普段Twitterで見るような)著者の政治的主義主張は(これでもかなり)抑えめであり、参考文献のうち古典的文献や欧米の研究のものは特に参考になる。ただし、反面、優等生的で広く浅くになってるため初学者でないと物足りなくもなる。女性や元犯罪者への抑圧とされてるものが何故「キモくて金のないおっさん」には適用されにくいのだろうか、という形で著者が本書で提供したツールを用いて著者の立場に反逆してみるのが結果的に社会学的思考の練習になってしまうのだが、それもいいのであろう。2017/10/21
λ
1
再読。社会学の基礎というよりも、実際のデータや事件をもとに「考察」をする本。なので、基本的な用語とかもほとんど出てこない。教科書というよりは読み本かな。表面的な説明なところは否めないけど、読みやすさ重視でよいと思う。2018/03/04
λ
1
社会学の本。授業の課題で直感で購入しましたが、非常に読みやすく社会学への関心が高まりました。社会学の分析方法にも様々なアプローチがあると思いますが、本書は、日常的なテーマから切り込んでいます。特に、調査データを多用していることからも非常に説得力があり、論理的です。社会学が身近に感じられる良書だと思います。社会学の入口に、どうぞ。2017/02/04