内容説明
一つの医療過誤事件をもとに、民事の訴訟がどのようにして起こされ、いかに訴訟手続が展開し推移していくか、法廷の外で、いかなる準備や折衝がなされるかを、生き生きと描き出す。民事訴訟法や民事裁判実務を初めて学ぶ人だけでなく、民事の訴訟に関心のある一般の方にも推奨できる一冊。
目次
第1章 弁護士に会う
第2章 訴訟の提起
第3章 弁論の開始
第4章 争点の整理
第5章 証拠(人証)の申出と証拠調べの策定
第6章 本人尋問と証人尋問
第7章 鑑定と最終弁論
第8章 和解の不調と判決の言渡し
第9章 控訴の提起
著者等紹介
福永有利[フクナガアリトシ]
1935年加古川市に生まれる。1958年神戸大学法学部卒業。同志社大学法科大学院教授
井上治典[イノウエハルノリ]
1941年下関市に生まれる。1963年九州大学法学部卒業。立教大学法科大学院教授・弁護士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毛竹齋染垂
1
これこそが本物の『リーガル・ハイ』を名乗る資格のある作品。いや別にガッキーが嫌いなわけではないんですが…。 兎も角、民事訴訟の実際を、或る医療過誤訴訟を題材として小説風に描き出し、各章の最後には解説としてその制度についてのアウトラインが書かれている。所謂教科書ではないが、民法を勉強し始めて「実体法でっかち」になっている法学部生や、訴訟と聞いただけで怖気づくような一般の読者層には調度よいだろう。 所で、本書のプロットそのものは甚だ拙い。しかしこれは筆者たちではなく日本の法実務に帰せられるべき点である、多分。2012/06/06