内容説明
平時一般に妥当していた民事実体法は、債務者の倒産を契機に一定の修整が施される。倒産実体法とは、このように倒産を契機に修整された一般実体法のことであり、この意味における倒産実体法は、一般実体法の特別法として位置づけられる。問題は、その倒産実体法がいかなる限度で特別法であるべきなのか、ということである。これが本書の主題である。つまり、およそ倒産法においては債務者の倒産を契機に債権者の個別的な権利行使が規制されなければならないが、それを越えて倒産法は一般実体法を正当に変更できるのか、できるとしたらその範囲はどこまでか、という問題が本書で検討される。
目次
第1章 私法的破産請求権論
第2章 市場適合的倒産理論
第3章 財産価値最大化理論
第4章 再分配論
第5章 止揚論
第6章 作業仮説
第7章 倒産管財人の解除権
第8章 相殺権の拡張
著者等紹介
水元宏典[ミズモトヒロノリ]
1970年4月17日、東京都世田谷区に生まれる。法政大学付属第一高等学校を経て、1993年法政大学法学部卒業。1995年に法政大学法学修士、1999年に東京大学法学博士。現在は熊本大学法学部助教授
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