内容説明
何世紀にも及ぶ思想の歴史的展開から、憲法の基本原理を読み解く。歴史から学ぶ憲法の考え方。
目次
第1部 総論・統治(立憲主義;国民主権;権力分立;民主政;議会 ほか)
第2部 人権(人権の観念;自由;平等;プライバシー;政教分離 ほか)
著者等紹介
曽我部真裕[ソガベマサヒロ]
京都大学大学院法学研究科教授
見平典[ミヒラツカサ]
京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
51
巻末の年表が語る、積み上げた理念。先人の概念と”形”のEvolution。章典や宣言に至る過程の政変・戦争を伴う変革。ロック/モンテスキューらが源泉となり、ハミルトン/ジェイ/マディソンによる『ザ・フェデラリスト』に繋がる過程が印象深い。立憲主義の概念。訴訟も歪みを正す手段。言い換えれば、人の過ちを踏まえた統治であり、安保法も正にこれを問われているのではなかろうか。現代憲法と古典との紐付けを通した憲法の基本原理を章立てに集約。評判どおり入門書としても適している気がする。2017/02/16
ヤギ郎
12
ミル、ルソー、ロック、モンテスキュー、ロールズといった歴史に名前を残す思想家たちのテクストを引用しながら、日本国憲法を学んでいく一冊。政治思想史入門。前半は立憲主義や議会といった統治について、後半は人権論を語る。古典テクストを読むきっかけになる。憲法についての本なので、もちろん判決の引用もある。参考文献には、それぞれの文献にコメントがついていて、もっと勉強したい人にもありがたい。一般向けの入門書。高校政治経済の補助教材になるだろうか。2020/04/08
ヤギ郎
11
憲法(特に日本国憲法)が誕生する背景にある古典を紹介しながら、憲法学のエッセンスを紹介する一冊。統治や人権の議論がどのような思想史の流れを踏まえて現代に至るかがよくわかる。本書の前半では統治分野、後半では人権分野について解説している。現代的な議論も紹介している。また、今後の学習の手がかりとなる参考文献も付いている。一般向けの法学や政治思想史についての一冊。2021/04/03
ヤギ郎
8
なぜか毎年本書を読んでいる。憲法学者が、古典と呼ばれる思想家のテキストから、憲法と憲法学の背景にある思想をわかりやすく説明している。高校の政治経済や倫理を深めた内容になっていて、一般向けにわかりやすく書かれている。憲法学者が執筆しているので、法律や判例の話がでてくるが、法学や政治学の入門書として読むとよいだろう。2022/04/05
tieckP(ティークP)
7
「西洋のほぼ近代の古典的著作を読んで憲法を理解する」本。抽象的な規定だからふわふわしがちな憲法に、古典という重しで現実味を与えた良著。フランス革命以降の憲法の精神を踏まえつつも、「憲法とはそういうものだ」という(あたかも自然権的な)憲法の説明を避け、20のテーマを複数の立場の古典に立脚して説明している。わずかに挙げられる判例は有名なものばかりとは言え、日本国憲法の説明は1/3程度なので、条文理解にはつながらないかもしれないが、憲法を考える上で当然知っておくべき政治思想を教えてくれる優れた入門書・教養書。2021/01/19
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