内容説明
日常生活ではあまり意識されることのない「地域」。しかし、そこでは数多くの社会関係が取り結ばれている。現代日本の地域生活の分析と地域研究の歴史の再考から地域とそこでの生活の問題と意味を考える。
目次
第1部 地域を考える(“地域”へのアプローチ;地域社会とは何だろう;地域を枠づける制度と組織;地域に生きる集団とネットワーク;地域が歴史を創り出す 歴史が地域を創り出す;なぜ地域が大切か)
第2部 地域を見る(子育てと地域社会;学校と地域;自営業者たちと地域社会;高齢化と地域社会;エスニック集団と地域社会;地域社会の未来)
著者等紹介
森岡清志[モリオカキヨシ]
現職、首都大学東京大学院人文科学研究科教授、世田谷自治政策研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みっくん
33
好むと好まざるとを問わず、皆誰しも『地域』に生きている。どうせ逃れられないならとことん考えていきたいかも(考えてるだけじゃあれかもだけどw)。2016/03/20
りょうみや
13
タイトルの通り、<地域>の切り口から社会を見つめ直す内容。多くの章があるが、さほど興味のない章は章末のまとめだけ読んでもそれなりに得られるものがある。グローバル化、経済の発展、技術・サービスの高度化と地域の希薄化は表裏一体。難しい問題で読んでいて色々と考えさせられる。 有斐閣アルマの本はどれも分かりやすく参考文献も豊富なのもよい。2018/05/12
ぷほは
3
これほど目配りの効いた多角的な概説書でも、やはり現実の問題の多重性には追いつけないところがあって。例えばより多様性を考えるならば、「宗教」と地域の関係性を概括した章があってもよく、また08年刊行ということで阪神淡路大震災の支援ネットワークには触れられていても3.11に関する言及はないし、インバウンドに対する地域観光の可能性/困難性や、ゆるキャラブームとその限界等の論点などもあった方がより豊かな内容にはなったであろう。もっといえばエスニシティに関する章はこんにちでは難民受け入れ問題として先鋭化しているし。2017/11/29
八雲
2
いい加減に社会学のレポートを出さなければと思い、参考文献なので読みました。12章がおもしろかったです。新しいコミュニティ形成には地域住民の参画が不可欠という視点がよかったです。行政の意思決定にどれだけ住民が参加できるか問題で、根底には行政が自治会を下請けのように使う感覚がダメで、対等な存在として対話しないとうまくいかないと思う。行政の人が自分たちだけ問題を解決しようとして、ずっと失敗してきたことを反省して、もっと開かれた思想を持たないとまた失敗すると思う。つまり行政のお上という権力意識を解体しないとダメ。2015/10/20
はる
1
安河内恵子さん、玉野和志さん、のような子育て・教育と 地域の関係性には今後も継続的に触れていきたい。特に教育の自由化の弊害が気になっている。また、森岡清志さんの文章が抽象的で読むのが難しかった(特に第2章。2020/09/06