内容説明
「適応」と「マイクロ‐マクロ関係」という2つのキーワードを軸に、統一された視点から「社会的動物」としての人間の姿に迫ります。気鋭の著者の共同作業から生み出された、最先端をいく社会心理学。
目次
序 「人間の社会性」をどう捉えるか?―適応論的アプローチ
第1部 集団生活と適応(社会的影響過程―集団内行動の文法を探る;社会的交換―集団における適応;グループとしての協調行為―集団を媒介とする適応;社会環境と適応行動―“文化”の生成)
第2部 適応を支える認知(社会的認知のメカニズム―進化論的視点;集団間認知とステレオタイプ―ステレオタイプ化の過程;統合的な社会心理学に向けて―試論または私論)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryosuke Tanaka
1
改訂版があるの知らなかった。ずっと気になっていた亀田先生の仕事だが思いの外最近読み込んでいた社会生物学にアプローチが近かった。進化心理学のパラダイムを借りてきてマクロな社会現象を個々のエージェントレベルから還元的に説明する、という取り組みは非常に魅力的で、集団錯誤≒群淘汰の誤りを社会心理に導入したことは非常に重要と思うのだけど、同時にこの本が前提するgeneだけでない(いわゆるmemeによる)「道具的適応」とそれによる文化の"進化"が本当にありうるのかは慎重な検討が必要だと思われる。2015/12/23
世界はきっと輝いてみえる
0
『複雑さに挑む』としながらもそこまで複雑ではない。用語説明もなされていて少なくとも中盤までは読み進めやすいと思われる。ところどころゲーム理論的。2011/01/29
yamadamada
0
おもしろい!この本も。社会心理学とゆう分野も。進化論、人類学、動物行動学、政治学、経済学…と、隣接領域が多くてにぎやか。一定の距離を取りながら、おびただしい研究事例が紹介される。ゲーム理論や集団での問題解決・意思決定に関する事例がおもしろい。社会心理学の哲学不在への嘆きから、方法へのつよい自意識に貫かれている教科書。俺たちは「適応」と「マイクローマクロ関係」で行くぜ。とゆう著者たちの決意表明が込められている。そう言えば、この本は10年前に買ったのだった。2010/03/16
tak
0
★★★★2024/09/21