内容説明
科学偏重の社会に生きて、私たちは神話を未開の人々の、荒唐無稽な「虚偽の話」と考えてきた。しかし、神話は、宇宙はどうしてできたのか、人間はどこからやってきたのか、文化はどのように手に入れられたのか、これらの問いに、すばらしく、輝かしいイメージをくりひろげて答える人類の思索の結晶である。近代合理主義の枠を脱し、私たちを最も新しい「もう一つの知の世界」に誘う珠玉の入門書。
目次
第1章 神話とは何か
第2章 神話学の現在(ユングと深層心理学;イェンゼンと現代歴史民族学派;デュメジルと「新比較神話学」;レヴィ・ストロースと神話の構造分析)
第3章 日本神話の解明(縄文期土偶の教えるもの;ユーラシア文明よりの光)
第4章 神話研究の歩み(古典時代;神話学の誕生―19世紀後半;20世紀前半)