関西学院大学研究叢書<br> 福祉国家の制度発展と地方政府―国民健康保険の政治学

関西学院大学研究叢書
福祉国家の制度発展と地方政府―国民健康保険の政治学

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  • サイズ A5判/ページ数 215p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784641049895
  • NDC分類 364.021
  • Cコード C3031

内容説明

歴史的制度論の立場から、「正のフィードバック」「経路依存」「ロックイン」といった概念をもとに、日本の国民健康保険制度の歴史的発展過程を考察することによって、地方政府の活動が福祉国家の発展に果たす役割を分析・解明する書。

目次

序章 問題の所在
第1章 理論的背景―福祉国家論と中央地方関係、歴史的制度論
第2章 国民健康保険の始まり
第3章 戦後の再建から国民皆保険へ
第4章 老人医療無料化と老人保健制度
第5章 介護保険と後期高齢者医療制度
第6章 国際比較―イギリス、カナダ、アメリカとの比較
第7章 国内比較―年金、生活保護との比較
終章 歴史的制度論と日本の地方政府

著者等紹介

北山俊哉[キタヤマトシヤ]
1958年生まれ。1982年、京都大学法学部卒業。1989年、マサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。現在、関西学院大学法学部教授(行政学・地方自治論専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Ra

5
やっと入手した絶版本。国民健康保険の制度史を題材として、歴史的制度論の枠組を用いて福祉国家の発展に与える地方政府のインパクトのメカニズムを説明するもの。まず理論的背景として、歴史的制度論のほか、Sellers and Lindstromの地方政府の能力と中央政府からの監督を指標にした体系的分類に依拠(第1章)。1922年に工場労働者(人口の約3%)を対象とした健康保険法(国と組合が保険者)の制定を嚆矢に、1938年には農業従事者(人口の2割超)を対象とした国民健康保険法が制定。2023/07/09

Ryueno

2
日本の医療福祉政策が「歴史」と「制度」によって規定されていることを論じた本。本書のリサーチ・クエスチョンは、①日本の医療保険政策が市町村単位で行われているのはなぜか、②日本の医療保険政策が平等主義的なのはなぜか、の2点である。前者の問いに対しては、制度導入時点で市町村中心に運用されており、市町村が「歴史」的にロックインされていたことが原因であるとする。後者の問いに対しては、地方政府が医療保険政策にロックインされていたことで、独自に医療保険政策を発展させるリソースを地方政府が持っており、(コメントに続く2015/02/03

バーニング

2
輪読文献。歴史的制度論の本格的な研究を読むのは初めてで面白いところはあったが、良くも悪くも制度変遷の説明に撤してしまっている印象も受けた。ロックインの有無も、あとになってようやく評価できるものも、いまこの時点では応用しづらい印象。このへんは別の本でちゃんと理解する必要があるかもしれないが。2013/06/06

ベア

0
素晴らしい本だった。もう絶版だけど欲しい。2022/06/28

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