内容説明
レーガン政権からオバマ政権の初期までの時期を対象に、国際的・国内的要因の中での大統領のリーダーシップや個性に重きを置いて、主要な外交上の出来事にふれつつ、現代アメリカ外交の展開と変容を分析する。
目次
序章 レーガンになりたかった男―二つの国葬
第1章 レーガンの長い影―ブッシュ外交への道
第2章 「二重の戦間期」―実父とその仇の時代
第3章 ブッシュ外交の始動―過信と恐怖
第4章 ブッシュ外交の苦境
終章 オバマ外交への道―歴史の呼びかけ
著者等紹介
村田晃嗣[ムラタコウジ]
1964年神戸市に生まれる。1987年同志社大学法学部卒業。1991‐95年米国ジョージ・ワシントン大学留学。1995年神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、同志社大学法学部教授(国際関係論、特にアメリカ外交・安全保障政策専攻)、博士(法学)。著書に『大統領の挫折―カーター政権の在韓米軍撤退政策』(有斐閣、1998年、アメリカ学会清水博賞・サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jj
3
レーガンからオバマ政権初期までの解説はとても参考になりました。レーガン革命「強い米国志向」の外交で国内保守勢力を開拓し、湾岸戦争後の父ブッシュ及びクリントン時代は冷戦終焉工作成功によって米国は国際政治上、絶大な力を入手したようですね。レーガンを目指したブッシュJrは9.11後アフガン・イラク戦争の泥沼化と政権末期の経済危機がレーガン時代終焉(保守派後退)をもたらしたようですね。レーガンの成功がブッシュの失敗を生み、ブッシュの挫折がオバマの登場を誘発したとか。オバマの外交姿勢は次に誰を生むか興味深いですね。2016/05/15
vladimir0315
2
アメリカ外交政策の決定には国内の勢力が強く関連し、歴代の大統領はそれに翻弄されてきた。レーガンは強気なイメージとは裏腹に、慎重な姿勢で外交を進め、父ブッシュは実務家の一面で湾岸戦争の勝利をおさめ、新たな国際秩序を形成するかのように見えた。しかしながら21世紀型の脅威、テロとの対策に子ブッシュは苦悩することになる。 この本はレーガンから子ブッシュそしてオバマ政権の発足の初期に至るまでの経緯を描いている。中身も重厚なものとなっており、アメリカ外交の新たな視座を提供してくれた。2013/03/10
ゆげ
1
レーガン政権からオバマ政権誕生まで、大統領は何を目指していたかに注目して辿っていくという本です。遠まわしの比喩表現がなく、端的で理路整然とした文章がとても読みやすかったです。本書はレーガン政権から子ブッシュ政権までの「強いアメリカ」路線を「レーガンの時代」と区切り、文中ではレーガンとブッシュの対比が繰り返し強調されています。二人の外交の比較で、911がアメリカに与えた衝撃の強さと911以降の外交姿勢の変遷がとてもよく分かりました。オバマの核なき世界が支持された理由もうかがい知れる内容になっています。2022/02/02
dourakutaro2013
1
共和党保守派とブッシュ親子の話を軸に冷戦後期からオバマ上院議員の大統領当選及び政権発足までを論じた研究書です。軸が明確なのでやや共和党内部での思想的政策的見解の違いや各政権での問題の原因をシンプルに描いている部分はありますが、そのシンプルさゆえ現代アメリカ外交の入門書としてベストなのではないかと思います。それにしても、トランプ当選でこの本の内容がある意味「前史」ともいえる内容になっていることには感慨深いものを感じます。2019/07/15
Studies
0
良書なので、あとで書評等を書きたい。2018/03/09