内容説明
本書は、刑法総論を深く学ぼうとする学生や社会人に向けて書いた概説書の下巻2であり、未遂犯論、共犯論、刑罰論などをとりあげている。主として次の三点を意識。第一に、未遂犯論、共犯論、刑罰論でも、考え方がするどく対立している問題が多い。本書は、その対立の根源がどこにあるかを検討したうえで、どのように問題を解決するのが妥当であるかを示す。第二に、未遂犯論・共犯論の個々の問題について、下級審判決を含めて判例の動向を事案に即してやや詳細に考察し、その動向を刑法学の立場から分析・検討する。第三に、今後の刑法を考えるうえで、立法論も重要であることから本書は、改正刑法草案を中心にして未遂犯・共犯に関する立法問題についても考察する。とくに死刑の存廃については、憲法論・判例の動向・国際的状況を視野に入れてかなり詳細な検討を試みている。
目次
第2編 犯罪論(未遂犯論;共犯論;罪数;刑法の適用範囲)
第3編 刑罰論(刑罰制度;刑の適用;刑の執行)
著者等紹介
内藤謙[ナイトウケン]
大正12年東京に生まれる。昭和28年東京大学法学部卒業。昭和34年東京都立大学法経学部助教授、昭和42年同大学法学部教授、昭和53年東京大学法学部教授、昭和59年千葉大学法経学部教授、平成元年創価大学法学部教授を経て、現在、創価大学名誉教授
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