出版社内容情報
刑事訴訟法の解釈・運用にあたり,人権と処罰のバランスを十分考慮して論述した定評ある本格的体系書。
新版化にあたり,捜査,証拠の項を実務,学説,判例の動向を十分にふまえて,加筆・訂正した。
終説「歴史と比較法」を新設するなど,体系書としてますます充実。
《主な目次》
序 説
1章 刑事訴訟法とは何か
2章 訴訟の主体
第1編 捜 査
1章 捜査総説
2章 捜査のはじまり
3章 任意捜査と強制捜査
4章 逮捕と勾留
5章 証拠の収集
6章 被疑者等の取調べ
7章 捜査における被疑者の防御
8章 捜査のおわり
第2編 公 訴
1章 公訴提起の基本原則
2章 公訴提起の手続
3章 訴因と公訴事実
4章 訴訟条件
第3編 公判手続き
1章 公判の諸原則
2章 公判の準備
3章 公判手続きの進行
4章 証拠法総説
5章関連性
6章 自己負罪拒否の特権
7章 自 白
8章 伝聞証拠
9章 違法収集証拠の排除法則
10章 簡易な手続き
11章 公判の裁判
12章 二重の危険
第4編 救済手続き
1章 上訴制度
2章 控 訴
3章 上 告
4章 抗 告
5章 非常救済手続き
第5編 裁判の執行
終 説 歴史と比較法
内容説明
刑訴法の第一人者として、バランスのとれた理論で常に学界をリードしてきた著者が、これまでの研究の成果を体系化した田宮=刑訴の集大成。新版化にあたり、歴史と比較法を新設、刑法改正を織り込み最新判例・統計を補充し、益々充実。
目次
第1編 捜査
第2編 公訴
第3編 公判手続き
第4編 救済手続き
第5編 裁判の執行
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
世話役
2
法学において名著とされる著作は多々あれど、それは書中に示されている優れた考え方への賛辞である場合が多い。読み物としての文章表現の巧みさ・構成のよさといった書籍としての完成度も加味するならば、本書こそまさに名著と呼ぶにふさわしいと思われる。現在は新司法試験の影響で検察実務的な考え方が教壇上も主流となり、そこと距離をとる本書は改訂が見込めないことも相まって存在感が薄れてきているが、ひとつの考えに支配されている今だからこそ、読むことで得るものは大きいはずである。古典かつデトックスの書として一読をお薦めしたい。
おかえ
1
最近の法改正に対応していないとはいえ、司法試験を受けるのなら必読の名著。特に訴因のところの記述が秀逸。刑訴法の本質的理解を得られる。2010/06/14
Leon
0
言わずと知れた刑事訴訟法の名著中の名著ですね。もちろん改訂は行われてはいませんが、刑事法関係の法改正がなされてもなお、読むたびに感銘を受ける教科書です。ご遺族の意向もあって改訂しないような噂も聞きましたが、この本はこのままである意味完成されている本。はしがきの田宮先生の言葉からも、これは田宮先生外は改訂すべきではないなあと思います。一読しておいて全く損のない名著です。