出版社内容情報
待望の芦部憲法体系書の第2冊。
「法学教室」に連載中の憲法講義ノートに加筆し,判例・文献をフォローする。
格調高く,明快な筆致,豊富で詳細な文献など,芦部人権論の真髄。
《主な目次》
第2編 人権総論
第1章 人権宣言の歴史
1節 18世紀人権思想
2節 19世紀人権思想
3節 20世紀人権思想
4節 人権宣言史からみた日本国憲法
第2章 人権の観念
1節 人権と自然権
2節 日本国憲法の人権観念
第3章 人権宣言の内容
1節 人権の類型
2節 制度的保障と基本義務
第4章 人権の享有主体
1節 国民と国籍
2節 天皇・皇族の人権
3節 外国人の人権
4節 法人の人権
第5章 人権の限界
1節 人権保障の方式
2節 公共の福祉
3節 「二重の基準」の理論
第6章 人権規定の効力
1節 特別の法律関係における人権
2節 私人相互間における人権
第7章 包括的基本権
1節 憲法一三条の意味
2節 広義のプライバシー権
内容説明
待望の芦部憲法人権論。人権の基礎理論と憲法訴訟論的考察の総合。
目次
第2編 人権総論(人権宣言の歴史;人権の観念;人権宣言の内容;人権の享有主体;人権の限界;人権規定の効力;包括的基本権)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
北条ひかり
4
9時間54分。カセットテープ。愛知芸術文化センター愛知県図書館と音訳者さんに感謝。学生時代以来の再読。どんなあほう学部生でも司法試験を受ける以上は、人権部分を徹底的に頭に叩き込む。この人権総論や第3巻の人権各論(1)は丁寧かつわかりやすい記述でとても勉強しやすかった。おかげで、今でもほとんど覚えている。芦部先生が亡くなってしまったため、続巻が出ることはなく、受験生は未刊部分を芦部先生の論文で補わねばならない羽目になった(泣)。現在の司法試験でも刑法では同じ状況らしいが、網羅的教科書というのは有り難い。2016/10/29
ただの人間
3
少しずつかけて読了。人権総論を対象とするからかもしれないが、本家のアメリカのみならずイタリアや東欧など必ずしも憲法学上参照されることの多くはない国の学説に対する言及もあり、岩波芦部憲法の基礎をなす蓄積の分厚さに驚かされた。判例重視と言われる傾向の中でもどこまで本書のような学問的議論を無視するのではなく対話できているかは意識する必要があると感じた2020/03/01
Tad
0
人権宣言の歴史、人権の概念、人権宣言の内容、人権の享有主体、人権の限界、人権規定の効力、包括的基本権、の7章。興味深かったのは、天皇皇族、在監者、公務員、外国人の人権に関してと、包括的基本権を謳った第13条に関して。 後者については、プログラム的な13条によってプライバシー権といった新しい人権が保障されるとする柔軟性が生じる一方、濫用リスクのコントロールをどう担保するのかなど、課題論点があると理解した。こうした解釈余地は成熟した社会があればこそ活かされ、そうでなければゆがみの源ともなりうる気がした。 2017/10/14
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