内容説明
本書は、伝統的文化価値を担う日本法は「西洋化された法」ではあっても「西洋法」ではないという問題意識を出発点として、このような意味での日本人による法系論の構築を念頭に置きながら、東西法文化の深層にある法観念、法意識ないし法の役割の共通的核心と相違点を剔出し、東西文明と東西法文化を形成してきたと想定される精神構造と法の社会構造を両面にわたって動態的に比較考察した。
目次
序論
比較法文化とは
「法文化圏」「法系」「法族」
東西法文化―シナ法文化と西洋法文化
「西洋法文化圏」(西洋法文化の源流;近代市民法秩序の変容)
「西洋法文化圏」における「大陸法系」
「西洋法文化圏」における「英米法系」
「西洋法文化圏」における「ヨーロッパ法系」の生成
「東アジア法系」における「日本法族」