感情の歴史―近代日本文学試論

感情の歴史―近代日本文学試論

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  • サイズ A5判/ページ数 511p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784640310422
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3091

内容説明

近代文学の根底に〈感情主義〉の遍在を認めた著者は、その種々の問題性を、作品の形象に着目することによって、鴎外におけるボヴァリスム、鏡花の錯覚主義、直哉における惨劇、子規・花袋らの換喩的表現等々として摘出する。都市から地方へと文学空間を拡大しつつ、追想世界を発見していくそのダイナミックな過程のうちに、日本の近代文学の機構を解明する。

目次

近代文学(研究)における「感情(主義)」の問題性
都市細民の形象の成立まで
換喩の文学―写実と比喩と
「舞姫」論
鴎外「青年」について
鴎外「妄想」など解義―ボヴァリスムの主題について
〓夫藍
「明暗」試論
「草枕」
「吾輩は猫である」私見―いわば「心理」的主人公について
厭世文学と追想
漱石における夢と追想
鏡花の方法―その錯覚主義について
「殺されたる范の妻」
「或る女」の形象組織
「形」の饗宴―谷崎潤一郎論
不在によるロマネスクの形成―芥川龍之介
教育的素材論―直接主義・表現主義
「一握の砂」―無常と存在
樋口一葉
一葉の小説
「破戒」について―その位置づけのために
魯敏孫―霧伴―遭難譚 失敗譚
「多情多恨」論
人の世の相の物語
「大菩薩峠」―大きい寓話
夢見る物語―「大菩薩峠」

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