出版社内容情報
埋もれた遺跡の風景が、ムシで鮮やかによみがえる!
各時代の遺跡から出土する昆虫の化石や痕跡から、当時の自然環境を復元する「昆虫考古学」の第一人者が、旧石器時代から江戸時代まで、日本全国の遺跡で見つかったムシの姿と研究成果を、軽妙な語り口で紹介する。全ページオールカラー、昆虫好きにも歴史好きにも楽しめる「読む図鑑」。
【目次】
1 旧石器時代(3万年前、津軽海峡を渡ったゲンゴロウ/シカ糞を保存した3万年前の地底の森/日本最古の人類遺跡・野尻湖)
2 縄文時代(食されていたか?キマワリ幼虫/3000年前、5メートルの泥土に埋もれたアブラゼミ/ 5000年前のサナギ羽化することなく ほか)
3 弥生・古墳時代(中部地方屈指の大集落に50万匹の糞虫/18 ブタ小屋にいたムシ(福岡県雀居遺跡・大分県下郡桑苗・愛知県朝日遺跡)/1ミリの昆虫片が語る苦難・苦闘の米作り ほか)
4 奈良・平安時代(人馬行き交う安倍郡衙、井戸の中まで糞虫が・・/日本列島から姿を消したムシ、井戸の中から/ウルシに絡めとられた13匹の「蚊」 ほか)
5 鎌倉・室町時代(津波に襲われ溺死したムシ/信長に焼き討ちされた畑からテントウムシ/家康と戦った一向一揆の拠点にいたムシ ほか)
6 江戸時代(浅間泥流に焼かれた貯穀害虫/食品害虫が語る甲府城下の賑わい/仙台城二の丸武家屋敷に夜な夜な現れる緑のムシ)
7 地質時代(夜叉ヶ池-尾根の上にゲンゴロウ固有種がすむ不思議/氷期到来を告げるマークオサムシ(三重県いなべ市・桑名市;175万年前)/トカラギャップで退路を断たれた熱帯性昆虫)