内容説明
遺跡から出土する陶磁器は歴史資料「考古学陶磁器」として、遺跡との関係で地域・時代・階層の情報をその身にまとう。本書はそれら資料に基づいた多様な研究法と新鮮な論点から語られる生活文化史のシリーズ第十巻である。
目次
東海地方における山茶碗の流通状況
濃尾地域における中世調理具の生産と流通―片口鉢から擂鉢へ
越前窯跡群における中世前期の生産構造と段階的変遷
備前焼の窯印―桃山時代の茶陶に見られる、いわゆる梅鉢文から
17世紀の有田における磁器生産の変遷―窯跡出土の芙蓉手皿を通じて
17世紀末から18世紀前半の長崎における3つの陶磁器様式について
唐人屋敷建設後の貿易陶磁―18世紀を中心とした陶磁器流通
19世紀における出雲の磁器生産―山陰沿岸部の磁器窯
江戸の小「徳利」、「二合半」か、「三合」か?―「定量容器」の持つ意味
磁器の合子を発注した人―野中烏犀園薬舗伝世資料を中心に
海外に運ばれた有田磁器の製作技術―オランダ・フローニンゲン博物館所蔵資料の考古学的研究
神聖ローマ帝国諸侯の磁器陳列室にみる政治性と日本の表象―ブランデンブルク=プロイセンおよびザクセンの事例を中心に
福建産粗製陶磁器の貿易―双喜文碗を中心に
「混水」と「分水」の文献考証
著者等紹介
佐々木達夫[ササキタツオ]
1945年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科考古学専門課程博士課程単位取得退学。金沢大学教授、同学評議員・埋蔵文化財調査センター長を経て、金沢大学名誉教授、古代学協会理事、日本考古学会評議員、石川県埋蔵文化財センター評議員。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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