内容説明
日本古代の氏はいかなる性格を持つ集団なのか。各氏の称する系譜は、王権のもとにまとめられた系譜体系といかに関わっているのか。それらは、時代とともにどのように変容するのか。共通の問題意識を踏まえ、気鋭の研究者たちが縦横に論究する。
目次
第1部 氏と系譜伝承(『古屋家家譜』と紀伊国―『日本霊異記』上巻第五縁の説話との関係性を踏まえて;土師氏の系譜と伝承―野見宿禰を中心に;上毛野氏の形成と展開 ほか)
第2部 氏の系譜と史料性(『新撰姓氏録』における氏の系譜構造;「連公」と系譜史料;『日下部家譜大綱』の諸本について ほか)
第3部 氏と地域社会(「既多寺知識経」と氏寺;須恵器生産と部民制;高麗朝臣氏の氏族的性格―二つの「高麗」をめぐる記憶の受容 ほか)