内容説明
最新の学説に基づき、出アフリカからポリネシアまでの人類の旅をたどって好評を博した『海の人類史』刊行後のさらなる研究成果を紹介する補記と、索引を新たに付した増補改訂版!!
目次
序章 環太平洋と海の人類史
第1章 人類の進化と海との出会い
第2章 旧人・新人による海洋適応と環太平洋圏への進出
第3章 新人によるウォーレシア海域への進出と海洋適応
第4章 完新世~新石器時代の人類拡散と海洋適応
第5章 金属器時代と海域ネットワークの生成
第6章 南太平洋の巨石文化と海洋文明の盛衰
終章 環太平洋圏と海の文明史
著者等紹介
小野林太郎[オノリンタロウ]
1975年島根県松江市生まれ。上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻修了、博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員(DC,PD/国立民族学博物館)、日本学術振興会海外特別研究員(オーストラリア国立大学)等を経て、東海大学海洋学部海洋文明学科・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
13
"両者の運命を分けた要因は一体何だったのか。近年、その要因を探る人類学的研究が盛んであり、様々な要因が指摘されている。特に注目されているのは、ホモ·サピエンスにおける前頭葉のさらなる発達の可能性やそれによる言語の発達 であるが、筆者はその一つに海洋適応の差もあったことを指摘したい。実際、開発·利用可能な食料資源や道具の素材として、海産資源の利用度をより発達させたのは、ホモ·サピエンスの方であった" →続く 2019/05/01
変なサイダー
0
東南アジア島嶼部をフィールドとしている筆者の考古学概説書。特に離島へと進出していった人類について、現在解っていることを自分の研究成果と共に記述されている。4万年以上前に人類が進出し、そこで根付いて島嶼間のネットワークを構築していく過程が解説されており、改めて人間の環境への適応力の高さを感じずにはいられなかった。今後も驚くような発見があることを願う。