内容説明
聖天さんと呼ばれることもある歓喜天。大聖歓喜天、難提自在天、俄那鉢底、毘那夜迦などの名をもつこの仏神。ルーツとなるヒンドゥー教の神ガネーシャが、仏教に取り込まれ歓喜天となる中で、どのように変化していったか。日本で信仰が広まる中どのように変遷していったのか。丁寧に跡づけた一書、復刊!
目次
第1章 聖天について(聖天とは;聖天の名のいわれ ほか)
第2章 俄那鉢底に対する認識(俄那鉢底とは;障礙神としての聖天 ほか)
第3章 日本における聖天像と祀られた寺(日本における聖天信仰;日本における異形の聖天 ほか)
第4章 聖天と大黒天(聖天と大黒天の類似性;聖天の持ち物 ほか)
第5章 聖天と十一面観音(聖天の実体;聖天と浴油供 ほか)
著者等紹介
笹間良彦[ササマヨシヒコ]
1916年、東京に生まれる。文学博士。日本甲冑武具歴史研究会会長。2005年11月逝去。享年89(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アル
1
歓喜天(聖天)について広く様々な経典や書物に当たった情報が詰まっているが、その分未整理のまま並べられている感は否めない。 漢訳経典を何の注記もないまま載せていたり、研究者向けの本のようだが、それにしては構成に難があるように思う。 また誤植等も残っており、3章では漢文のレ点、一二点を本文として表記してしまっているなど、校正漏れも目立つ。 考察についても秘仏を双身歓喜天だけと思っている節があるなど、疑問な点も多い。 聖天の象徴とされる大根と宝袋について、ガネーシャ像の持ち物が誤解された結果と見るのは興味深い。2019/02/19
非実在の構想
1
学者ではないので不安だったが理知的で、目指すべきはこのひとかも知れない。内容はわかりやすくよくまとまっている。2018/03/16
kiiseegen
0
ほぼ秘仏の大聖歓喜天、何たるかを知るには充分の良書。2017/08/12