内容説明
古来、人の生活と星や月、太陽の運行には深い関係があった。古代から中近世までの暦制度や天文の研究に一生を捧げ、「古天文学」を提唱した著者が、歴史の表舞台で語られることの少ない、歴史的事件と天文の関係をつまびらかにする天文こぼれ話、ここに復刊!!
目次
第1章 邪馬台国・卑弥呼の日食
第2章 織田信長と天文異変
第3章 歴史のなかの皆既月食
第4章 ある幕府天文方の悲劇
第5章 江戸中期の初学天文書
第6章 古天文挿話・アラカルト
第7章 「〓(けい)惑守心」を考える
第8章 チンギス汗を助けた天文官
第9章 古天文学の先駆者・小川清彦
著者等紹介
斉藤国治[サイトウクニジ]
1913年7月1日東京に生まれる。1936年3月東京大学理学部天文学科卒業。1974年3月東京大学東京天文台教授を定年退官。以後「古天文学」を創設し研究に専念する。理学博士。2003年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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西澤 隆
5
以前いろんな日記や短歌などに出てくる天気から正史の元となっている文書の内容の正しさを検証するという本を読んで「へえ」と思ったのを思い出した。こちらは「天の岩戸」をはじめとした古い歴史上の現象を天文現象として考え、その発生日を計算することで当時なにがおきたかを考える「古天文」という学問のこぼれ話集。筆者は国立天文台に長くおられた「天文(つまり理系)」側の学者さんだが、歴史研究(文系)側からのアプローチにこういう学問が応えられたら書き換えられる歴史はたくさんあるはず。こういうクロスオーバーは、おもしろいなあ。2017/10/17