内容説明
人間国宝が語る研磨の極意と刀の見方。幕末から戦後までの研磨史、日本刀を研ぐ技術、そして研師としての心構えをわかりやすく述べる。それに留まらず、次代の研師育成にも心を砕いた著者が、その心の内をも語る。
目次
修業時代
日本刀を研ぐ(研磨の意義;砥石と道具 ほか)
研磨の見方(砥石と研師;彫刻と研磨の苦心 ほか)
明治・大正の刀剣社会と光遜先生のこと(光遜先生の生い立ち;本阿彌琳雅先生に学ぶ ほか)
日本刀とともに(戦時中の光遜先生;戦後の光遜先生 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ume-2
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日本刀研師における重要無形文化財保持者の著作。名刀として高名な日本刀も刀鍛冶が完成後自身で研ぐ(鍛冶押しという)例は決して多くなく、研師に依頼する例が多い。経年による研ぎ直しもある。研師はその刀の作者や由来、流派を鑑別し、その美点を際立たせ、欠点を目立たぬように仕上げるのである。研ぎによって日本刀の見栄えは一変する。普段名刀として鑑賞している刀も、鍛冶一人が造り出したものではなく、研ぎという化粧を帯びている。弟子が行う下地研ぎから仕上げ研ぎまで、専門用語でありながらその技法の開示が詳細。研ぎで刀が変わる。2022/07/21
清水聖
1
買った意図。研師の仕事から自分の仕事に役立つことを知るあるいは確認する。思ったより読破に苦戦したのは、読者想定が同業者だからかもしれないけど(自分にとって)重要には思えないことも黙々と、決して雑には扱わずひとつひとつクリア(に)していく。そうやってやり遂げたこの読書自体も研磨的だった。身構え心構え、目配り心配り、臨む心意気(こだわり)、望まれる雰囲気(環境)。名付けられ磨かれる日本刀と日本人。温故知新の知識と技術。そしてそれらのスケール。自分の「art」を輝かしく切れ味鋭くできるように。研磨!そんな1冊。2022/11/04
魔威駆
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仕上げ研ぎって、親指で研ぐのか。知らなかった(笑)2017/02/05
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- 洋書
- Witch