出版社内容情報
激動期の宮廷改革と女官たちの日常を活写する。
近代国家へと急激な変貌をとげる明治維新の政治体制のなかで、平安京遷都以来一千年余の京都を離れて東京に移された宮廷の制度や慣習は、時代の荒波を受けてどのように変わっていったか。謎多き明治宮廷の様相と後宮の女官たちの実像を描き出す。
内容説明
近代国家へと急激な変貌をとげる明治維新の政治体制のなかで、平安京遷都以来一千年余の京都を離れて東京に移された宮廷の制度や慣習は、時代の荒波を受けてどのように変わっていったか。謎多き明治宮廷の様相と後宮の女官たちの実像を描き出す。
目次
第1章 明治の宮廷(御簾から出た現人神;東京奠都と天皇親政 ほか)
第2章 明治の後宮(后妃と女官;正室と側室 ほか)
第3章 明治の女官(女官制度の改革;女官勤め ほか)
第4章 明治の著名な女官(女官長になった高倉寿子:大正天皇の実母になった柳原愛子 ほか)
著者等紹介
扇子忠[センスタダシ]
1940年、京都市生れ。立教大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Rina Niitsu
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明治期における女官についてだけではなく、上代から明治まで歴史を丁寧に追って記述されていました。複雑な女官の官位も実際の女官さん(明治期)を当てはめながら記述されていたため、イメージしながら読むことが出来ました。そして何よりもお側に仕えた女官さんの手記だからこそ伝わる、明治天皇皇后両陛下のお言葉や御動静は新鮮ですらありました。古参の女官さんの怖い面もしっかり書かれていましたが…。様々な意味で読み応えのある本でした。2016/02/09
rbyawa
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e376、個人的に社交界に関しての本を読みたかったんですがうーん、それに近いのは下田歌子さんくらいかなぁ(女官として勤めてから結婚、その後様々な事業に関わったとか)。そもそも明治天皇と皇后の間に子どもが全くなかったために夜伽を行う女官らがいたものの、彼女らは次代の天皇を生んでもあくまで女官でしかなかったとか、死亡率が約半分を越えていたとか、どうも夜伽しないはずの地位の段階で懐妊していたらしいとか、うーん、噂と実情がそこまで乖離してはいないな。あくまで臨時措置でこれが最後の「後宮」だったらしいんですけどね。2015/01/11