内容説明
日本銃砲史学会の半世紀にわたる活動の成果―鉄炮伝来から西南戦争まで3世紀余にわたる日本銃砲・砲術の歴史を多角的視点からたどり、銃砲・火薬の科学的分析からその製作と原材料を明らかにする。
目次
第1部 銃砲通史編(砲術武芸の歴史;鉄砲伝来伝説の系譜;鉄炮の普及と当世具足の出現;野田清堯の鉄炮銘からみた武家の序列;初期江戸幕府の西洋砲の導入;高島流・西洋流砲術伝授の形式と伝播について;ペリー来航前夜の鉄炮鍛冶と幕臣の和洋調練;明治郵便開始期の逓送制度と短銃配備;西南戦争の陣地の性格)
第2部 銃砲技術編(火薬発達の歴史―発射薬と炸薬を中心として;肥料造りから硝石造りへ;日本の鉄炮(火縄銃)と管打銃に用いられた鋼の金属組織―製作方法と原料についての考察
工学的金属組織観察が語る火縄銃の製法と材質
幕末・大筒鋳造法の技術水準―青銅から鋳鉄への道程)
著者等紹介
宇田川武久[ウダガワタケヒサ]
1943年東京都生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。国立歴史民俗博物館教授を経て、同名誉教授。日本銃砲史学会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フルボッコス代官
2
これはなかなかの一冊。鉄砲の伝来の検討から、美術品としての鉄砲のこと、さらには火薬技術史銃砲技術までかなりの重厚さで書かれており、非常に楽しめた。しかし、18人の編著者の中に数名しか大学教授がおらず、ほぼ銃砲史家の著作なので、大学教授による学術論文しか認めない主義者にはうけいれられない危惧がある。2020/09/25
onepei
2
論文集。鉄砲伝来の伝説に系譜があること、郵便の制度の始まったころ、「郵便物保護銃」制度があり、郵便配達人は銃を携行していたことは興味深かった。2014/08/01